Chinese history 知っておきたい中国の歴史

『三国志』の英雄達

『三国志』 は、三国時代につづく晋に仕えた陳寿が書いた歴史書です。
多くの英雄が登場しますが、簡潔な文章で淡々と描かれており、名著の人が、評判が高かったようです。
今私達が読んでいるのは、約1000年の後に出た『三国志演義』 で、明の始め頃に羅漢中が『三国志』をもとにして書いたフィクションです。

 

『演義』が生まれるまでは、たくさんの三国志物語が民衆の間で育まれ、書物となって流行しました。
『演義』 は、それらを歴史資料と比ペながら、大長編小説に仕上げられ、七分の真実に、三分の虚構が含まれていると言われます。

 

『三国志』を書いた陳寿は、魏を引き継いだ西晋につかえていで、曹操の魏を正統な王朝として扱いました。
しかし、『演義』は徹底して劉備の蜀を正統とみなしました。
そして、劉備、関羽、張飛の三人が、劉備の人問的な魅力をきずなとして義兄弟の関係を結ぶという美しい創作が生まれます。

 

これに対して曹操は、冷血残忍な英雄として随所で強調されています。
しかし曹操は、優れた軍事家・政治家・詩人であり、多くの人材を登用したスケールの大きな英雄だったことがわかっています。