Chinese history 知っておきたい中国の歴史

春秋・戦国時代

東周の時代を、春秋時代(紀元前771〜同476)
戦国時代(紀元前476〜同221)に分ける。
戦乱に明け暮れたこの時代は、こんにちまで連綿と続く中国思想が産声を上げた時代でもある。
儒教の創始者、孔子(紀元前551〜同479)は、戦争と流血の惨事が絶え間なく続いた時代の思想家であり、教育を基本とする社会行動システムをつくり上げた。

春秋戦国時代・古代文明と青銅器時代

紀元前17世紀から11世紀まで続いた殷の王国は、青銅器に記録された文字「金分」と獣骨に刻まれた「甲骨文字」によって実在が確認されました。
その後紀元前3世紀まで、およそ300年刻みに西周、春秋、戦国と続きます。

 

春秋時代には、周王から各地に封じりれた諸侯が主導権を奪い合い、戦国時代になると小国は大国に併合されます。
青銅器から鉄器へ転換し、生産と戦争の規模が拡大したのが大きな理由です。
この頃の中国の北方では、騎馬民族の匈奴がモンゴル草原を統合して中国をおびやかす勢力となり、戦国諸国のあいだに中華意識が形成されていきます。

 

多くの古代文明に青銅器時代がありますが、殷や周ではとりわけ巨大で異様な礼器がきわだっていました。
礼器は神を祭る儀式の道具で、三〜四本足のついた釜や、酒器などです。
殷の都の遺跡で発見された4本足の鼎は高さ133センチ、重さ875キログラムという巨大なものでした。
これらの礼器を使って、神に供物をささげ、巫(みこ)たちが祭りの儀式をおこないました。
巫は天と地のあいだを自由に往来して、天帝の意志を人間に伝えることができると信じられていました。
巫を助けたのが、青銅器の装飾模様として鋳こまれた竜や鳳凰などの動物たちです。
政治をつかさど王は、このような巫集団の長でもあり、天上の帝王と交信する手段を独占して、強力な権カを得ることができました。

 

王は、このように重要な青銅器をつくる原料の銅や錫を独占するため、各地に支配を広げ、原料を納めようとしない場合は戦争によって獲得し、捕虜となった奴隷たちは青銅器の生産に投人されました。

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